役割の違いが招く人間関係のトラブル
職場の人間関係で悩む人は少なくありませんが、老健の場合は多職種が一緒に働くからこその難しさがあります。残念ながら人間関係に悩みすぎて離職する人もいます。
介護士との難しい人間関係
看護師の一般的な職場である病院では医師、看護師、看護助手、検査技師、薬剤師など、さまざまな職種の人が働いています。老健も同じように看護師以外の職種の人たちが多く働いていますが、医療職はほんのわずかしかいません。老健は介護従事者が大半を占めているため、役割の違いから対立してしまうことが多いようです。
お互いが相手を理解せず会話が少ないと、一方通行の視点になってしまいます。相手に対する批判の気持ちも膨らんでしまいますし、職場の雰囲気も気まずくなるので穏やかな気持ちにはなれません。
誤解や勘違いをなくすことが大切
介護士との関係がギクシャクしたままでは仕事にも悪影響が出ます。お互いを理解する気持ちを持つことが大切ですが、そもそも、介護士と看護師では物事を見る視点が違います。介護士は日常生活の視点から、看護師は医療的な視点から入居者を見るわけですから意見が異なるのは当然です。
例えば、入居者が熱を出したとします。介護士は食事や排泄などのケアを想定しますが、看護師はバイタルや症状、病歴、検査データなどを確認し、発熱の原因を探ります。専門分野が違うのでケアの仕方で意見が対立してしまうわけですが、入居者には関係ありません。むしろ、症状を緩和するためには両方の視点が必要です。
役割の違いから意見の衝突は避けられないかもしれません。しかし、入居者が安心してケアを受けられるようにするためには、意見の対立ではなく、お互いの知識や技術を活かしてよりよいケアを提供することが大切です。
会話を大切にしよう
介護士と看護師は職種こそ違いますが「入居者が安心・安全な環境で適切なケアを受けられるよう努力する」という点では共通しています。お互いを理解しようとする姿勢を心がけましょう。日頃から言葉を交わすことでチームが同じ意識を持つことができるようになります。専門職としての知識や技術を活かしながらよりよいケアを行うためにも、まずは会話を増やしてお互いに歩み寄るようにしましょう。
「こちらの意図は伝わっているはず」「介護士は○○してくれるだろう」と過信してはいけません。必ず自分の意思を言葉にしましょう。理想的なのはお互いが自分の意見や疑問を積極的に表現できる関係です。
そのためにも互いを理解し、積極的に言葉を交わすことが大切です。日々の仕事を丁寧にこなし、相手から信頼されるように行動することを意識してください。