キャリアアップが図りづらい
老健は、在宅復帰を目指す入居者の方々を支える重要な役割を担っています。しかし、老健で働く看護師の中には、「専門性が身につかない」「キャリアアップが難しい」といった不安に感じるケースもあるようです。詳しく見ていきましょう。
医療行為がルーティン化しやすい
老健に入居されている方の医療依存度は、病院患者と比較すると低い傾向にあります。病状も安定しているケースが多く、看護師が行う医療行為は採血や服薬管理、バイタルチェックなどのルーティン業務が中心になりがちです。胃瘻の管理や軟膏塗布、便処置など、入居者の日常生活に密着したケアが連日続くことも珍しくありません。どれもQOLを支えるために欠かせない業務ですが、看護師としては、新しい医療技術や高度な知識を要する業務に触れる機会が少ないことに物足りなさを感じるかもしれません。「このままで看護スキルを維持・向上できるのだろうか」「最新の医療知識から取り残されてしまうのではないか」といった、キャリアに対する漠然とした不安を抱えるケースもあるでしょう。
資格取得の方向性が限られがち
専門性を深めたいと考えても、老健で活かせる資格取得の方向性が限られるという悩みもあります。
病院であれば、業務内容に応じて、がん看護や精神看護、小児看護などの専門看護師や、糖尿病看護や透析看護といった認定看護師を目指す道があります。一方、老健で求められるのは、高齢者ケアや生活支援に関する知識・技術が中心です。もちろん、老年看護や認知症看護のスキルを磨く方法もありますが、選択肢の幅広さという点では、病院に及ばないのが現状です。
結果として、「どのようにして専門性を高めていけばよいか分からない」「キャリアアップの道が閉ざされているのではないか」といった迷いに繋がることがあります。
急性期とのギャップ
急性期病院や高度な医療を提供する施設から老健へ転職してきた看護師は、より一層キャリアの停滞感を抱きやすい傾向にあります。
急性期では、刻々と変化する患者さんの病状に対応するため、高度なアセスメント能力や迅速な判断力、最先端の医療技術などが求められます。そのような環境から老健に転職すると、どうしてもギャップが生じてしまうもの。人によっては、急性期病院で活躍していた頃の自分と比較して、自信を失ってしまうケースもあるかもしれません。
老健でキャリアアップを目指すには
老健でのキャリアを充実させるためには、能動的に学びの機会を作り出す姿勢が大切です。まずは、施設内の勉強会や外部の研修会、セミナーに積極的に参加することを心掛けましょう。特に、医療の最新情報や、救急対応など、老健で実践の機会が少ない分野の知識を定期的にインプットすることで、看護師としての知識と感覚を維持することができます。
もちろん、老健の特色を活かしてキャリアアップを図る方法もあります。老年看護、認知症看護、ターミナルケア、リハビリテーション看護といった、介護分野で活かせるスキルを高めていくことで、キャリアアップが図れるでしょう。
看護師の知識を基盤としつつ、社会福祉士や精神保健福祉士といった、医療と介護・福祉の橋渡しとなる資格取得を目指すのも一つの道です。これらの資格は、高齢者を多角的に支援する老健の場で大いに役立ちます。




