医療的な責任をすべて背負う重み
老健は公的施設であり医師や看護師の配置が義務づけられていますが、休日や夜間など医師が不在の場合もあります。その場合は看護師が判断しますが、医療的な責任をすべて担うわけですからその重さに悩む人も少なくありません。
医師が不在の時は看護師が判断
休日や夜間は医師が不在となる老健も少なくありません。医師が不在の間に入居者の容態が急変した場合、看護師が対応することになります。しかし、医療に関する知識はあっても、病気の治療方法について医師のような知識を持っているわけではありません。しかも、体調を崩したことを的確に説明ができない入居者もいますし、会話が難しい人もいます。そのような状況で医療的な責任を負うことは大きなプレッシャーとなるでしょう。
転職には覚悟が必要
体力的な負担が少なく病院勤務では得られないスキルを身につけられると人気の高い老健ですが、老健ならではの難しさもあることを忘れてはいけません。老健の仕事に興味はあるものの、「看護師に判断を委ねられる場面もあり、病院よりも看護師の責任が重い」「介護士への指示もしなければならないので働きやすいからという理由だけでは転職を決められない」「看護師としての知識や経験はあるけれど、医療的な責任を担うスキルがないと難しい」という人も少なくありません。
不安を克服し、適切に行動するためにはどうしたらよいのでしょうか。
日頃からよく観察すること
異常をいち早く察知するためには、日頃から入居者の状態をよく観察して把握することが大切です。「いつもより元気がない」「食べる量が少ない」など普段と様子が違う場合は、体調を崩している可能性が高いので注意しておきましょう。状況を見て容態が急変するようなら病院へ搬送することを考えなければなりません。スムーズに行動できるように時系列でメモを取ったり、家族に連絡したり、と救急時に迅速に行動できるように普段から確認しておくことが大切です。
病院勤務の経験がある人はこのような対応に慣れているのであまり心配する必要はないでしょう。しかし、緊急時の対応が苦手な看護師は自分で判断して行動しなければならないというプレッシャーを強く感じてしまうかもしれません。緊急事態を想定したシミュレーションを行う、入居者の状態をよく観察して状況を把握する、既往歴を頭に入れておく、と普段から意識しておけば緊急時も落ち着いて行動することができます。
同僚や先輩を頼る
勤続年数の長い同僚や先輩を頼るのも1つの方法です。これまでの勤務の中で同じような状況に遭遇したことがあるかもしれません。急変時の対応も理解しているので、何をすべきかを教えてくれるはずです。